インターネット電話交信にみる電子QSLカードの実際
Cyber-QSL Card 物語 (未定稿)
JA2ANX/1 稲垣 直樹
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*(注)この原稿は、WordからWebEditorへのCopyがうまく行われていないTEXT文のみです。
いずれチャレンジして、「ExcelグラフやWord作成の絵」を貼りつけたいと思っています。
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インターネット電話での海外アマチュア無線局長と交信(QSO?)も、通常の海外無線帯交信よろしく「興奮」を味わえます。
インターネット電話によるQSO(以下Cyber-QSOと呼称)は、ルートがその都度異なったり相手局との相性が合わなかったり、一般有線回線の電話とチョット様子が異なり、音声の瞬断やら途中のノイズで、まったくお空でフェージングを伴った長距離HF通信を行っている様子に似ています。
とても一般電話回線の品位とは言えないところがHF帯で遠距離SSB無線で交信しているみたいですが、多局が押し寄せるラバースタンプ型QSOと異なり、ネイティブな訛りある言葉で語りかけてくれる「土地のにおい」がしてきます。
そこで、あとから相手局とE-Mailで確認をとっている状態です。
本編は、アマチュア無線局用に専用に「チャットルーム」のあるIphoneの世界を覗いてみることにする。
1:インターネット電話の機能
インターネットの世界では「絵」や「音」そしてその即時性体感するリアル感は、FM,SSBやCWで慣れている我々には、戸惑いを感じる。
「音声+文字チャット+ホワイトボード」の共有利用が、双方向で同時に利用出来るので交信に「声」のみならず自分の顔やシャック、家族の写真や近くの風景写真を見ながら会話できる。しかも海外交信が市内電話料金で出来るのである。
インターネット電話の機能面は
(1)音声会話は、全二重、半二重の選択か可能。
(2)相手局との会話は、1対1、もしくは1対nの構成で可能。
また、E-MailメッセージにVoiceーMailを添付して送る事ができる。
(3)ホワイトボードで、同時にドキュメント、写真、描画データを相手局と共用/編集する事ができる。
(4)ビデオカンファレンスでモーション・ビデオの送受信ができる。
等々、音声、text、映像が同時に使えるのである。しかも伝送手順はインターネットであるから、TCP/IPである。しかもアマ局同様のICQ番号まで付与して世界的規則で固有の相手と交信できるのである。
2:サイバーQSOは楽しみが3倍
インターネット電話によるQSOは、インターネット網の世界だけで相方がPCで完結するケースが多いが、海外ではインターネット電話と地元レピーター局を常時接続しているのにぶつかる。アラスカの「KL7M」局は147.21Mhzでレピーターが稼動しており地元を走っているモービル局とも交信できる。
(1)相手と交信(接続)されるチャンスが以外と少ない!
有線でいつでもつながると思っていたが・・・
相手がPCの電源を入れていて、尚かつチャットroomで、タイミングが合わないと接続困難である。
(まだまだ人口が少ない、互いに相手国1stQSOのチャンスである)
(2)インターネット電話は市内回線料金で海外と話しが出来る・・・!が、「うたい文句」であるが、CQを出しっぱなしで待つ間市内回線は、接続されっぱなしで、案外高いものになる。
(3)インターネット電話広場は「混在文化」
どこの社会集団でも、中傷、誹謗、卑猥な会話を楽しむ人達は存在する。我が地でのV/UHF帯での一部の人達の罵声と卑猥な交信が根絶できない(しかもコールの呼称は何し)のと同様、ウッッシの映像に遭遇する事もある。
Hな映像を楽しんだり、英語やスペイン語の会話練習を楽しんだり、コスト安く海外の家族と電話したり、自由闊達な広場がそこにある。
まるでアマ無線帯と同様である。
そこで、アマ無線を楽しむに、「CQCQ ham Radio QSO」と表示したり、「Clean Chat Only」と看板を出しているアマ無線局長もある。
(4)パィルアップ状態
インターネット電話は、自分の希望する周波数でCQを呼称すると同様、アマ無線を楽しむチャット・コーナーでCQを出して相手からの電話が掛かるのを待つたり、ボードを見て(周波数帯をずーと舐めて混雑状況やら珍局を探しだす行動と同じ)自分の希望者を呼び出してQSOに入るのである。
インターネット電話のアマ無線コーナーは、まだまだ参加人数が少なく未開の地帯である。一般コーナーに参加すれば、沢山の人から電話が掛かってくる、すぐにパィル状態になる。
相手無線局とちょっとしたタイミングでVE局、HI局を逃がしてしまった事もある。この静かな地帯はまだまだ人口が少なく、出ると「パィル感」を満喫できる。
(5)リアルタイム感について
相手の時間を気にする点では全く同じだ。IPhoneは相手が今その場(自分の無線機を前にしているケースが多い)で、お互いに話しをしなければ交信が成立しないのである。
この点では、SSTVやRTTYの交信と類似している。
今、Operaterが双方起きていて、今その場で時間を共有しているのである。
それに比べ、Packetの海外交信は、電文をやり取りするのに数日から数週間かかり、HF帯の交信の様な今双方が起きていて話して(CWキーを操作)している感とはほど遠いのである。平安時代の「ふみ」の交換の様なタイムスパンを感じさせるのでもある。
IPhoneQSOは、今話してくれないと成立しないから、この時間は相手が起きている時間か、深夜では明日のためもう寝てしまっているであろうとか、アメリカが週末でそろそろアマ局が出てくるであろうと想像するのは、まるでDXを狙う相手を思う心である。
「もう8時30分になる出勤時間がきたので73ヨ!」なんてまるでHF帯の交信そのものの即時性を感じさせる。
3:活版印刷のQSLCard型から「ディジタルQSLCard」化へ
その昔QSLカードは、活版印刷をして顔知らぬ交信相手にビュロー経由か航空郵便で送付し、またQSLの返送を心待ちにしたものであるが、ビジュアルが即交信時に交換できるので、あまり郷愁を感じなくなったのか、インターネット電話を利用するアマチュア無線局はQSLcardを持たない人々に多く遭遇する。
パソコンで通信しているので、すぐに印刷可能であり、またそのイメージを伝送できるので交信時にQSLcardイメージを送出してしまうのである。
E-Mailの添付Fileハンドリングに似た伝送が、いとも簡単にできるので、なにも高価な活版印刷でカードを制作しなくてもよいのである。
DXCCの申請に胸ときめかしカードで昔の交信を返り見たり、また学校の公開実験で珍しい国との交信例として展示していたQSLcardを思い出す。
QSLcardの交換を希望するとキョトンとする局も多いのがサイバーQSOの特徴である。
もう活版印刷のQSLcardの概念は古くなったであろうか?
私の海外1stQSO局であるF1RIQの返信はコールサイン入りのカードイメージをわざわざ紙にプリントアウトして送ってくれている。
そしてカード保存は引出しや書棚でなく、FDに変わりつつある。
写真1;F1RTQ局からのプリントアウト
圧縮技術と伝送技術の賜物であるが、この3手段を一度にしかも同時に交信できるので、SSTVの高速伝送をしながらRTTYで文章を送りながら音声で解説をする事が可能であり、同じQSOも3倍の楽しみになる。
IPhoneで交信する時、その場でカメラを使って自分の顔や部屋の様子を送り届けたり以前に編集しておいたビデオを送信できたりする。
また、その場でQSLカードの交換も双方即時発行可能になる。
写真2;JA2GZZ局との交信中でのホワイトボード交換
インターネット電話QSOは、楽しみが3倍である。「音声+文字チャット+ホワイトボード(リアル画像)」の共有利用が、双方向で即時に交信できる。
「声」だけでは、分からない家族の写真や近くの風景写真を見ながら会話できる、しかも海外交信が市内電話料金で出来るのである。
圧縮技術と伝送技術の賜物であるが、この3手段を一度にしかも同時に交信できるので、その場でQSLカードの交換も双方即時発行可能になる。
従来から私達は、交信を最低相手局のコールサインとRSの確認が成り立った時交信成立として来た。また同一電波形式でのQSOを2wayと表記してきたが、パケット通信から(途中の利用スタイルを問わないコミニケーションに変わり)交信の定義と交信の証が技術変化で概念変更をもたらしている。
写真3:Word作成後E-Mail転送例:PT9EB局
(ex: PY2AIA)
Elias Villela Lemos Monteiro
Rua Antônio Maria Coelho,3229
CEP-79020-210 CAMPO GRANDE-MS
To Radio: JA2ANX Date: 03/05/969QTR: 22:03Mhz: IPHONE RST: 5-9-
MNI TKS FER FB QSO, HPE CUAGN SN ES BEST DX
73,
ELIAS_L._MONTEIRO
Campo Grande, 03 de Agosto de 1996
Caro Amigo Naoki (JA2ANX)
Gratíssimo pelo nosso primeiro QSO em
03/05/99.
Tanto em Campo Grande como na “Fazenda Olhos
D’Água “,no município de Aquidauana, onde tenho meu domicílio
adicional, você conta com um colega inteiramente QRV.
Recomendações a todos de seu QTH
familiar e a você um forte 73 do
amigo,
Elias
(PT9EB)
IPhoneで交信する時、その場でカメラを使って自分の顔や部屋の様子を送り届けたり以前に編集しておいたビデオを送信できたりする。
筆者は、昔作成した初期のQSLカード(1968年7月印刷)が懐かしく大切に使用し且つ保存してきたが、30余年も経つと、よる歳には勝てなく「ボロボロ」になりつつある。昔のコールサインでOn-Airが可能になった今は、QSLカードも昔のイッメージのまま使用したい郷愁に駆られる。そこで最後に残された1枚をPDF処理して電子QSLカードに利用している。質感は全く30年前が表現できている。
写真4;PDFファイルと現物比較
5:QSLカード共同転送システム
従来我々はビューロー経由か相手局に直接郵送する又時には直接手渡しするなどの方法をとってQSLcardを相手に渡し相方が交換する事によって「交信証」としてきた。
しかし、昨今のパソコン普及に合いまって、今やQSLcardそのもの自体のディジタル化傾向がましている。SSTVやATV等の映像形式交信の普及により画像そのものが交信の証として交換される様になって来た。
インターネットの圧縮技術の利用は、意識するしないに関われず我々の机上にも存在するに至っている(LhaやJPEG、PDF、ESS、等)ので「交信証」も紙の記述による証から映像(写真からビデオ映像へ)そしてサウンドファイルの記録交換まで進んでゆくであろう。
またDXペディション交信の確認や多バンド交信QSL発行管理分野にもパソコンが利用されるに到っている、背景からパケット利用(写真99;パケット通信で送られてきたQSLcard)やE-mail送付が増加しつつある。
ここでは、インターネットを利用した究極のQSLcard転送システムを展望してみる。
現在の郵送方法は万国郵便法の基、それぞれの国で責任を持って履行されているので相手先が不明な時は返送されている。通信の秘密も保たれているのであるが、インターネット世界は自由な社会である反面上記のは保証されない。
E-Mail添付でテキストや画像やサウンドをともなったQSL証を送付しても、本当に相手に届いたか? またせっかく送って相手局が開けなかったりする。
また、アマチュア無線局で使用するパソコンの機種、OS,使用ソフトの多様化で多種多様な社会でQSLCard(画像、動画+音声)を授受可能にする互換性も課題になる。
そこで究極的には、下図のような機能をもったセンターが望まれる、且つ各局のコスト負担を軽減するための共同利用型がその姿であろう。
@発送依頼 AQSL到着E-mail
PC
全ての端末
インターネット・ポスティング・サービス
B画像QSL開く
送信ファイルと同一のアプリケーションが受信者側にない場合は、ポータブルドキュメントを受信側PCに自動インストールする。
6:QSL交信認証局システムの提案
各国のBeaurouは、物理的葉書の交換制度から電子的なQSLカード交換制度の仲人役に移行が余儀なくされている。
相方が電子的QSLカードをインターネットで交換し始めれば、自然とビューロー経由の枚数は減少に向かい会員の魅力であつた「ドサッ」と届く郵便を待つ日々、そして開封した楽しみも姿を小さくしてゆくであろう。むろんどこの世界でもクラシックを好む者は存在し完全に「葉書QSL」はなくならないであろうが、絶対数は激減に向かうであろう。
アマ無線愛好家は、まして機械好きで無線機の横にPCは「パケットクラスター」や「HAMLOG」等ですでに、身近なものとなっている。HAMLOGの便利さを享受した人々は、管理面から自然とQSLカードの自動発行、自動受け取りへと思考は広がるのは当然のなり行きでもある。
各種Awardの申請やコンテスト申請もFD提出が多くなる中、個局同志の残された部分に「電子化」の方向は止められない。
その時のビュローの役割は「認証業務」である。
電子QSLカードの取扱いフロー図
相手局へ転送するQSLカード電文を各国の代表機関が、その電文内容を認証し認証マークを添付して、相手局に送付する。
郵便代金のみならず、物理的ハンドリングを省力化できる。
受け取った局も整理が容易で且つ確かなアマチュア無線局である事の証となる。
HF/VHF/EME/Satellite/MS
アマチュア通信
A認証済QSLカード C
B返送QSLCard
PC
QSLカード着
インターネット網
CyberQSO
JA2ANX局
@
発行
C海外認証済QSLカード
PC
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いっぷく1
QSOとは
「人と人」が、意思の伝達をするのに、途中の技術的な利用手段が無線であろうが有線であろうが、アナログであろうがディジタルであろうが、目的からすればその手段は問わない。我々は衛星を使ったりリピーターを普通に使って交信を楽しんでいる。
短波利用帯の発見はアマ無線の賜物であるが、世界は「有線―無線の統合」「アナログーディジタルの統合」に動いている、いつまでも無線に固持するのは時代に則さなくなってきているのでないか。
電離層に反射された交信のみがアマ無線のQSOとの概念は崩れて行くのでないか。
無線の周波数帯の有限が分かった人類が、インターネットという新しい手段(伝送路)を手にした今、インターネット交信は新しいQSO形態として受け入れられて行くのでないか。
いっぷく2
「インターネット電話は市内料金で格安」は嘘! 高価になる。
確かに世界中張り巡らせた人類の知恵のインターネットはプロバイダーから先は無料の世界である。だから世界中で1数百万人もの参加を勝ち得て増殖中でもある。
その利用形態の一つとして電話があり、またその応用利用としてアマ無線のジャンルがある。インターネット電話によるアマ無線の利用に関しての留意事項に料金問題がある。
世間一般的な認識として(提供企業側の宣伝文句か?)「インターネット電話は市内料金で格安」との標語を耳にする。しかしQSO中の時間のみ見ればその通りであるが、QSOに入るまで、チャットコーナーでCQを出し続けなければならない。
その間回線は続ぎっぱなしで、市内回線料は掛かって累積されているのである。
定額制料金体系もあるが、日本はまだまだ高額で使用感からすると米国の5倍〜10倍であり、1局の交信が市内料金で済む事はない。
(無線リグで電気を入れっぱなしで、いざの時リニアーで、しかも高い塔でHF多エレのアンテナ建設費をDX局数で割った経費を考えると無線も以外に高額になっているのでは)
いっぷく3
こんなすばらしい機能を無線界にも
アマ無線の先駆者は、有限である周波数帯の有効利用技術として、新しい技術開発や未知なる周波数への挑戦の歴史でもあった。
今、IC技術や圧縮等の伝送技術そして、米国の「ソ連邦スプートニックショック」から誕生したTCP/IP、インターネット関連技術は、アマ無線界も積極的に取入れたらどうか!
上記の機能が、一度に同時に利用できる時代に来ているのである。しかも低廉で誰でも操作可能な域に達している。
このマルチ機能を、そのまま無線界に取り入れたらどうでしょうか。
パケッターの皆さんは、今基本的にTCP/IPを使っています。
インターネットで使用するソフトをそのまま転用すれば、夢の交信は手元にあるのでないか。
インターネットソフトは自宅のPCで動いているので、後はTNCの開発のみ、そして無線機に接続すれば自由に切り替えて、マルチ電波形式が体感できる
「夢のアマ無線交信形態」が可能となろう。
いながき なおき
稲垣 直樹
〒227-0062 横浜市青葉区青葉台1-19-25
Packet;JA2ANX@JK1YBD.10.JNET1.JPN
E-Mail;ja2anx.naoki@nifty.ne.jp
Copy write 1999Nov15 JA2ANX Naoki Inagaki
QSLカード転送システム
従来我々はビューロー経由か相手局に直接郵送する又時には直接手渡しするなどの方
法をとってQSLcardを相手に渡し相方が交換する事によって「交信証」としてきた。
しかし、昨今のパソコン普及に合いまって、今やQSLcardそのもの自体のディジタ
ル化傾向がましている。SSTVやATV等の映像形式交信の普及により画像そのもの
が交信の証として交換される様になって来た。
インターネットの圧縮技術の利用は、意識するしないに関われず我々の机上にも存在
するに至っている(LhaやJPEG、PDF、ESS、等)ので「交信証」も紙の記述による証から
映像(写真からビデオ映像へ)そしてサウンドファイルの記録交換まで進んでゆくであ
ろう。
またDXペディション交信の確認や多バンド交信QSL発行管理分野にもパソコンが
利用されるに到っている、背景からパケット利用(写真99;パケット通信で送られてき
たQSLcard)やE-mail送付が増加しつつある。
ここでは、インターネットを利用した究極のQSLcard転送システムを展望してみる
。
現在の郵送方法は万国郵便法の基、それぞれの国で責任を持って履行されているので
相手先が不明な時は返送されている。通信の秘密も保たれているのであるが、インター
ネット世界は自由な社会である反面上記のは保証されない。E-Mail添付でテキストや画
像やサウンドをともなったQSL証を送付しても、本当に相手に届いたか?またせっか
く送って相手局が開けなかった